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学級経営

「好ましい学級集団」の育成
 文部科学省は、2015年度に起きたいじめや不登校などの調査結果の確定値を2月28日に発表した。
 この確定値は、昨年10月に公表した速報値を都道府県教育委員会の訂正をもとに再集計した値である。
 いじめの認知件数は、速報値より592件多い、22万5132件となっている。
 (小学校15万1692件、中学校5万9502件、高校1万2664件)
 文部科学省の見解によると、集計漏れがあったということであるが、私の経験から言うと、集計漏れ自体が信じられない事態である。
 増え続ける深刻な事態を、都道府県、市区町村の教育委員会、学校現場はどのようにとらえ、いじめ・不登校対策にどのように取り組んでいるのか、疑問が残る。
 その典型的な疑問というか、怒りを覚えたのは、文部科学省が取り組んでいるいじめ撲滅キャンペーンのTV番組の中で、若い男性教師が、「話したいことがあったら、何時でも相談に来なさい。・・・」と言う、いじめを受けている、いじめをしている子ども達の置かれた状況を理解することなく、無責任に発せられた言葉である。
 瞬間的に「それでも教師か?自分から子どもや保護者、地域社会に飛び込み、情報を共有し、共に解決に向けた対策を講じるのがあんたの仕事だろう?学校の責任だろう?」と、思わず叫んでしまった。
 私が現役のころから取り組んできた生徒指導の原則は、『「対応型の生徒指導」には限界があり、問題が起きてから解決に対応する指導は教育的指導ではなく、真の解決には結びつかず、子ども達の成長は期待できない。』と言うことである。
 子どもの訴えを「待つ」のではなく、気になる子どもの在校時の様子や言動、交友関係に可能な限り目を配り、心を寄せ、子どもや保護者・地域社会からの情報確保に積極的に務め、好ましい学級集団や子ども社会を育てていく、日頃からの「攻めの生徒指導」を通してこそ、好ましい学級集団を育てることができる。その基盤は、「学級活動」の運営にあると確信し、いじめや不登校のない、好ましい学級集団の育成に取り組んできた。
 現役のころにまとめ、初任者指導にも活用してきた児童が主体的に取り組む学級活動の進め方を、以下に参考までに載せておきますので、ご活用ください。
​ 集会活動は、学級生活に変化を与え、楽しく、豊かな学級生活を築くことを目指した活動である。
 計画を立て、役割を分担し、協力して仕事をすることにより、連帯意識も生まれてくる。
 係り活動は、自主的に学級内の仕事を分担し、学級生活を豊かなものにしていくために学級内の様々な問題を処理し、解決していく中で、自主性や社会性を身に付け、個性や能力を伸ばしていく活動である。
 児童の自主的な活動が見られず、活動内容も児童の創意や工夫が生かされず、マンネリ化していると指摘されることがある。その要因として考えられることに、担任が学級活動における係活動の意義を理解しておらず、学級管理上の補助的活動を係活動に位置付けている現状が見られる。一つの例として、当番活動を係活動に組み入れ、児童の創意や工夫が活かされないままになっていることも多い。
 児童が、自分たちの学級生活を豊かにしていくために必要な係を、話し合いを通して考え、当番活動や教師の補助的活動は、係活動と区別して取り組ませるよう、低学年の時から指導することが重要である。

 学級経営の基盤づくりは、
「子どもの自主的・主体的活動を育む学級活動」の経営にかかっている
 学級活動 ⇒ ◎話し合い活動 ◎係り活動 ◎集会活動
 学級活動は、学級に所属する全児童が学級生活の向上・発展を目指し、教師の指導・助言を得ながら学級生活の諸問題を話し合い、解決を図るために、一人一人が何らかの役割を受け持ち、自主的・実践的に運営し、学級生活を楽しく、豊かなものにしていく活動である。​​
 *学級生活に関する話し合いと解決のための話し合い活動
 *学級生活向上のための仕事を分担する係活動
​ *生活に変化とリズムを与え、学級生活の充実を図る集会活動
 上記の活動を、自主的・実践的に行うことにより、学級集団の一員としての自覚を高め、自主性や社会性を養い、個性の伸長を図ることにある。
 学級活動という集団活動を通して上記のねらいを達成するためには、学級集団そのものを望ましい集団に育てる教師の集団指導に対する心構えとその指導技術・力量が問われることとなる。
 
 話し合い活動は、一人一人の児童が学級の成員であることを自覚し、学級の問題を自分の問題として捉え、学級の話し合い活動を通して解決するための具体的・現実的方策を確認し、取り組んでいくことによって、はじめて充実したものとなる。
 そのためには、自分の所属する学級を何よりも安心できる場所として、あるいは、心を打ち明けられる友達のいる場所として、そして、かけがえのない自分の学校生活の場所として捉えさせることが大切である。 

児童が主体的に取り組む学級活動の進め方

学級経営の基盤は「学級活動」にあり、学級活動の運営が
                               「いじめ」や「不登校」のない「好ましい学級集団づくり」の出発点となります。
学力向上に向けた子どもと教師の「活発なコミュニケーション」をアシストする
           「CAS Box」の活用 ⇒ 「好ましい学級集団づくり」と「学力向上」
                                                                                                                               「CAS Box」とは
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