教育改革を進めるにあたり、早急に取り組まねばならないことは、組織体制の見直しによる校長を中心とする責任体制の確立である。 中でも、校長の学校経営方針・教育課程に関しては、校長の責任において、保護者のみならず、地域の関係者や関係機関にも説明し、理解と協力を得ることが大変重要となる。
①学校説明会(一学期) 経営方針・教育課程・学年、学級、教科経営等の説明
②学校公開 (各学期) 教育活動の経過(市民に向けた、毎学期一週間の学校公開)
③学校報告会(三学期) 教育活動の結果と成果の報告
困難な状況をどう克服し、新しい教育の創造に向けどのように取り組んでいくかが今日の管理職の課題であり、力量を問われるところである。
-
改革の内容と方向を認識させる
教育改革に向けた答申、提言や意見等、多くの改革案は出尽くし、「完全学校週5日 制」がスタートした。 教育課程の基準の改善のねらいを改めて確認させ、改革に具体的、実践的に取り組ませたい。(四つのねらいは省略) -
個性重視の教育の実現に取り組ませる
総合的な学習の時間の創設や、選択履修幅の一層の拡大、習熟度別学習や小集団学習の導入等は、その根底に「個性重視の原則」があり、 個性を生かす教育への質的・方法的転換をねらったものである。そこで、「学校教育の創造的開発」に教職員集団を向かわせるのが校長の使命であり、 その実現に向け、組織体制の整備を図ることが校長と教育委員会の課題である。 -
社会の変化に対応した自己研修を促す
新しい学校教育の具体的開発が求められている時、「校長の学校経営ビジョン」「教師の資質・能力」に 見合った学校しか創ることができないことは容易に推察できる。 「学校の教育力は、正に教師の教育力である」からこそ、自己の使命を自覚し、職責を遂行するために研修に励まなければならない。自己研修の視点は、次の三点にある。-
学校教育への質的変化への対応
これまでの答申・提言、意見等を分析し、求められているものは何か。課題は何か。対応策は。明確な指針を打ち出す。
-
子どもの生活や意識の変容への対応
学級崩壊に始まる指導力不足教員の発症原因は、子どもの変容への対応ができないことにある。 経験やマニュアルのみに頼った指導は、現代の子どもには通用しないことを自覚させる。
-
職能向上への対応
教師に求められる資質・能力の中でも、「長期にわたって教師を続けるだけの、教師としての適格性・向上心」 「時代の変化・子どもの変容に対応した カリキュラム開発能力」は最も重要な資質・能力である。
-
一校を預かる責任者としての姿勢は、積極性(情熱・使命感・先見性)に左右される。その気がなくては校長の責任を果たすことはできない。 改革の成否は校長の姿勢にかかっているといえる。
〔明治図書:学校運営研究 平成14年6月号〕